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<<   作成日時 : 2016/09/14 08:50   >>

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タモリのTOKYO坂道美学入門

この本は東京という大都市の生活道路である坂道にスポットをあて、その名前の由来、その周囲にある建物の風情、湾曲の美しさなどを評論した本であり、最初は、地味でマニアックなテーマに感じるかもしれないが、資料的にも、ガイド的にも素晴らしい本である。

この本を書店で見つけた時、ナンセンスなものを真剣に取り上げる、というシュールな笑いの性格の本なのか?と訝ってしまったが、そういう私の考えは浅はかでした。

本書のまえがきに、東京が「なんと坂の多いところだ」「実際来てみるとかなり高低差があり、しかも大都市のど真ん中に驚くような急傾斜の坂がいくつもあった。こんな大都市は東京だけだ」と書かれている。
この本では、いくつものタモさん自身が撮影したという「坂道」のカラー写真を惜しまずに使い、丁寧にその坂道の名前の由来や、その坂道にまつわるちょっとしたエピソードを紹介していて面白い。タモさんの坂道への視線は本当に真剣であり、優しい。坂道のある風景全体を眺めることで、その町の歴史の知られざる一面を想像させやすくしてくれるのだ。

タモさんの挙げている坂道鑑賞ポイントは

@勾配の具合
A湾曲のしかた
Bまわりに江戸の風情をかもしだすものがある
C名前に由来、由緒がある

の4点だそうだ。

「坂道美学」という言葉は、決して大げさではなく、言い得た言葉である。そしてこの本の素晴らしいのは、東京のことを知らない人にとって、とても親切なガイドブックであることだ。それは町歩きをするのに、おすすめのお店などが紹介されている、ということもそうだが、地形的な着眼点とその場所にまつわる史実を紹介することで、江戸時代、明治時代、現代の東京のタイムスリップを自由に想像させてくれることである。真剣に坂道を見に、東京へ行ってみたくなる。
面白いのは「Y字路」もお好きだそうで、その響きにはエロティックなものを感じるのは私だけではないはずだ。その観点からいくと、坂道のゆるやかなカーブの美しさというものは、人間の持つ肉体の曲線の美しさに重なるものがあるのではないか?と考えるのは私の嫌らしい妄想だろうか?

改めて私なりに「坂道」について考えてみると、日本中、または世界中、いろいろな所にある。そして坂のある町が持つ、風景の美しさの共通性というものがあるということである。
建築の専門的なことは知らないが、斜面の上に立つ構造物の土台を作るためには、土地をくずして、階段状に面を作ったり、または坂の上に長く柱を立てたりなど、平面にものを作るより高度な技術を要するであろう。
しかし、人間は坂の上に工夫して建物を立て、また土砂が崩れないように石垣などを作った。古い石垣には不思議な美しさがある。
またその斜面の下から上へ、人や物が通る道を作った。そして低地から高地への道を直線にするのではなく、湾曲させることで、勾配をゆるくして歩きやすくした。
自動車を持たず、徒歩で行動していた昔の人達が、どうやってそこに建物を建て、住んでいたのか、という何気ない生活の様子を、地形や川、古地図などをたよりに、想像することはなかなか興味深いことである。

本書では有名な都市、東京を取り上げているが、地方にある小さな町にも、坂のある町並みは挙げればいろいろある。
私が行った事のある、思い浮かべることのできる、坂のある町というと、広島県の尾道、東大阪市の石切、などがある。また、私の住んでいる長野市も周囲は山に囲まれ、町中にも勾配のあるところがある。都市の規模も坂道の数も到底江戸には及ばないが、それなりに魅力を感じる坂というものが私の町にも存在する。名前のない坂がほとんどだろうが、名前のある坂もある。
そうやっていろいろなものを見つめていると、自然と人間の文明の調和というものが浮き彫りになってきてとても興味深い。
何気なく存在している町並みの中に美というものが隠れているのだ。
皆さんの住む町にも、まだ知られていない魅力がまだまだ存在するはずだ。




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